いちご研究所の取り組み

◆はじめに◆

 

年間何万トンも捨てられてしまっている天然資源いちご葉から、環境にも肌にも優しいエコプロダクトを開発しました。

 

◇プロジェクトスタートのきっかけ

 

ビタミンCが豊富で美容にも効果が高いと知られている「いちご」。古くから食用として世界中で愛されている野菜ですが、果実以外の葉や茎は、果実の収穫終了後にはそのほとんどが廃棄処理されていて、数量は数万トンにもなっていることを知りました。わたしたちはこれを、「天然資源」として活用することができないかと考えました。

 

◇製品化までのながれ

 

いちご葉でなにができるのか。まずは、農家さんから大量のいちご葉を調達し、大学との共同研究で成分を検証しました。

その結果、果実とはまた違った美容成分が、豊富に含まれていることがわかりました。

そこで、試作品として、化粧品、洗顔料、点鼻薬等を作成しました。

 

◆いちご葉について◆

 

◇協力していただいている農家さん

 

 

(1時間で完売してしまう棟田さんのいちご直売所)

 

大阪府内で唯一の村、千早赤阪村。緑豊かなこの土地で、棟田さんはいちご栽培に情熱を注いでいます。きっかけは、ご自身が異業種の会社員だった数年前、友人のいちご農家を手伝ったことでした。その後、若きいちご農家として独立を果たしました。

 

「たくさんの人に喜びと感動を与えてくれる。これがいちごの魅力なんです。」

 

そう笑顔でお話しされる棟田さんのいちごは、農薬をほとんど使用していません。高設栽培という方法によって、極力自然に近い形で、温度・湿度・水分量の徹底的な管理をしているそうです。そのため、いちごの果実は肉厚で甘味たっぷり、凝縮したうまみが特徴です。

 

1日のいちごの出荷量の3割は、道の駅と一件の提携洋菓子店のみです。残りの7割は農場隣接の直売所での販売となっており、なんと1時間で完売してしまう、まさに幻のいちごです。

 

 

◇農家さんの想い

 

棟田さんは、日本のいちご農家の一人として、新たな取り組みも行っています。例えば、いちご果実の中で、僅かな傷や形の不揃いなどが理由で市場に出回らない部分の可食部の新たな加工法や流通についての取り組みです。

 

また、未利用部位である「いちご葉」を発酵させ、土壌として利用する取り組みも行っています。しかし、6日に1枚のペースで成長し、1株当たり200グラムの重量になるいちご葉の利用法としては、まだまだ研究開発の必要性があるといいます。

 

 

 

 

(棟田さんのいちご農場だけでも1万2千本×200グラムの葉が毎年廃棄処分されている)